◆歩行障害 【 前かがみの姿勢で小刻みにすり足で歩く、歩き出しの一歩が踏み出せない(すくみ足)、歩いているとだんだんスピードが速まる(加速歩行)など 】
◆姿勢の異常 【 腰が曲がる、ななめに傾いてしまう、首がさがる など 】
◆無表情 【 まばたきが減る、表情がなくなる(仮面様顔貌)など 】
◆嚥下障害 【 食べ物が飲み込みにくくなる 】
◆字の変化 【 字が小さくなる、ふるえる、字を書いているうちにだんだん小さくなる 】
◆自律神経の異常 【 便秘、起立性低血圧、排尿障害 】
◆精神・認知の異常 【 うつ状態(不眠、何をしても楽しくない)、認知症 】
◆感覚の異常 【 幻覚、妄想、痛み、しびれ、嗅覚の低下 】
◆睡眠障害 【 中途覚醒、朝起きたときの筋肉の痛みやこわばり など 】
★パーキンソン病の診断
〇受診科は神経内科になります。
問診 → 画像診断 (CTやMRIなど) → 異常なし → 臨床検査 (尿検査、血液検査) → 異常なし → 薬剤反応検査 (L-ドパ製剤を服用し、効果を確認) → はっきりとした効果がでない → MIBG(心筋シンチグラフイー)検査、ドパミントランスポーターイメージング検査など → 異常あり → パーキンソン病と診断
※MIBGとは、心臓の交感神経の状態を診る検査。ノルアドレナリンとよく似た物質を含む検査薬を服用した時に、この薬剤が心臓に集まる程度を画像で評価する。パーキンソン病では、この薬剤が心臓に集まらないことを利用して診断の参考にする。
※ドパミントランスポーター(DAT)イメージング検査とは、脳で信号のやりとりをしているドーパミンの再利用を促すたんぱく質(DAT)の働きを可視化することでパーキンソン病やレビー小体型認知症などを鑑別する。
★パーキンソン病の治療
治療には薬物療法と外科療法がありますが、基本は薬物療法です。現在はよく効く薬があるので、適切な治療を行えば症状を改善させ、進行をくい止める事ができます。治療薬は担当医が患者さんの様子を病状に合わせて変更します。薬の量や種類が増えたからと言って心配することはありません。治療がうまくいく様に、困りごとなど主治医とよく相談してください薬で症状のコントロールが困難な場合や、副作用のため必要な量を飲むことができない場合には、手術を行うことがあります。主治医の先生とよく話し合いをしましょう。このほか、食事療法や生活療法などのリハビリテーションを併せて行うことも重要です。
※外科療法 ◇脳深部刺激療法(DBS) : 脳に電極を埋め込んで、電気刺激することにより、バランスの崩れた神経回路を取り戻し、症状を改善する。
◇経腸療法(デュオドーパ) : L-ドーパ製剤を専用のポンプとチューブを用いて、薬の吸収部位である小腸に直接送り続ける治療法。
◇定位脳手術 : 脳の神経細胞を熱で破壊します。
※長期間薬を飲み続けた時の副作用
◇幻覚 ◇むくみ ◇依存症 ◇ウェアリング・オフ現象(L-ドパの効いている時間が短くなる現象) ◇オン・オフ現象(薬の効果が突然なくなり動けなくなってしまったり、効果が突然あらわれて動けるようになる現象) ◇ジスキネジア(薬が効きすぎて手足が勝手に動いてしまう現象)